ホーチミンのマンション価格 2026年第3四半期:一次価格は7,500万ドン/㎡へ下落、新規供給は半減
結論から:2026年第3四半期、ホーチミンのマンション市場は大きく減速しました。新規の売り出しは前年同期比で50%減、販売戸数は71%減。一次市場(新築分譲)の平均価格は1㎡あたり7,500万ドン(−14%)に下がり、1〜9月のGDPが9.01%成長したにもかかわらず、住宅ローン金利は10.6%前後のままです。ハノイも弱含みですが、一次価格は8,600万ドン/㎡を保っています。土地付き住宅(タウンハウス・ヴィラ・分譲地)は明暗が分かれました。ホーチミンは価格が下がったぶん多く売れ(+226%)、ハノイは販売が伸び悩む中で一次価格が33%上がっています。
数字はCBRE Vietnam『Q3 2026 Vietnam Real Estate Market Insights』(2026年10月)によるものです。Realtiqueはホーチミンでマンションを購入する方の視点からこのレポートを読み、グラフを描き直し、数字が比べられない箇所を明示しました。2026年から、CBREの統計における「ホーチミン」には旧ビンズオン省と旧バリア=ブンタウ省が含まれます。ここでの価格は売り出し価格であり、値引き後の成約価格ではありません。
マンション市場 2026年第3四半期 — 4つの数字
目次
マクロ:15年ぶりの高成長、それでも住宅ローン金利は10%超
2026年1〜9月のGDPは9.01%成長し、15年ぶりの高水準となりました。2025年同期の7.85%を大きく上回っています。アジア開発銀行(ADB)もベトナムの2026年の成長率予測を、7月の7.2%から9月には7.8%へ引き上げ、東南アジアで最も高い水準です。外国資本も加速しています。1〜9月の外国直接投資(FDI)の登録額は前年同期比76.4%増で、2025年通年の合計をすでに約31%上回りました。新規登録額の出所は、シンガポール(31.7%)、韓国(19.5%)、ルクセンブルク(17.1%)の3か国が上位です。
住宅市場にとってのボトルネックは、資金コストです。12か月物の優遇住宅ローン金利は平均で約10.6%(12か月物の預金金利は約7.0%)。1〜9月の与信は11.6%増、預金は9.8%増で、資金調達が貸出に追いつかない状態が3年連続で続いています。9月のインフレ率は5.08%に達し、国家銀行の上限4.5%を上回りました。CBREが引用する報道によると、当局は中長期貸出に充てられる短期資金の比率を40%に引き上げ(6月)、預貸率の計算で国庫預金を50%として扱い(8月)、預金に対する貸出の上限を95%へ緩和しました(10月初め)。
政策は、成長の下支えと投機の抑制という2つの方向に引っ張られています。社会住宅は優先分野で(2030年までに100万戸の目標、120兆ドンの信用パッケージ、所得上限を月2,500万ドンに引き上げ)、工業団地とともに、25行に割り当てられた2026年の不動産向け与信枠から除外されています。観光・リゾート向けの貸出も、不動産向け与信の伸びには含まれません。750兆ドンを超える緊急の信用パッケージは、18の戦略的インフラ事業に充てられます。投機の面では、レポートは不動産税に向けた下地づくりを挙げています。デジタル不動産ID、すべての取引の銀行経由化、そして空き家や短期転売への課税の提案です(まだ施行されていません)。
読み方のポイント:力強い成長と外国資本の流入は、長期的な需要が健在であることを示しています。ただ、10.6%の住宅ローン金利が、第3四半期に買い手が動きを止めた最大の理由です。金利環境についてはベトナムの高い貸出金利(2026年):住宅購入者は何をすべきか(英語)で整理しています。
グラフィック:Realtique · データ:CBRE Vietnam 2026年第3四半期レポート — 売り出し価格で、成約価格ではありません
マンション 2026年第3四半期:新規供給は半減、販売はそれ以上に減少
2つの大都市はどちらも、新規の売り出し戸数と販売戸数が2025年第3四半期を大きく下回りました。
| マンション、2026年第3四半期 | ハノイ* | ホーチミン** |
|---|---|---|
| 新規供給 | 6,187戸(−40%) | 3,267戸(−50%) |
| 販売戸数 | 3,920戸(−66%) | 1,809戸(−71%) |
| 一次価格 | 8,600万ドン/㎡(前期比−9%、前年同期比−6%) | 7,500万ドン/㎡(前期比−2%、前年同期比−14%) |
| 二次価格(売り出し価格) | 6,000万ドン/㎡(前期比−5%、前年同期比−8%) | 6,000万ドン/㎡(前期比−4%、前年同期比0%) |
パーセンテージは、特に記載がなければ前年同期(2025年第3四半期)との比較です。* ハノイには、フンイエン省ヴァンザン(Văn Giang)の大型都市開発(Ecopark、VOCP2、VOCP3、Sunshine Legend City、Alluvia City)が含まれます。** ホーチミンは2026年から、旧ホーチミン市、旧ビンズオン省、旧バリア=ブンタウ省を合わせた範囲です。一次価格は、付加価値税(VAT)と維持管理費を含まない、値引き前の売り出し価格です。
注目すべきは、販売戸数の減少が新規供給の減少より大きいことです(ホーチミンで−71%対−50%、ハノイで−66%対−40%)。開発事業者が売り出しを絞るより速く、買い手が引いたことになります。CBREは、ハノイの第3四半期のマンション消化率を63%(年初来66%)としています。ホーチミンについては、上の2つの数字(1,809÷3,267)からRealtiqueが割り算した値で、約55%です。ホーチミンでは、2026年の最初の2四半期が、CBREが示す2023年以降のデータ系列の中で最も売り出しの多かった期間だったため、第3四半期の落ち込みはより目立ちます。
Realtiqueの見方:販売が新規供給より大きく落ち込むと、開発事業者は表示価格を据え置いたまま、支払い面の支援(支払い期間の延長、金利支援)を厚くする傾向があり、価格を直接引き下げることは少ないものです。プロジェクトを比べるときは、表示価格だけでなく、特典を差し引いた総コストで比べてください。
グラフィック:Realtique · データ:CBRE Vietnam 2026年第3四半期レポート — 売り出し価格で、成約価格ではありません
ホーチミンの一次価格は9,200万から7,500万ドン/㎡へ:数字の正しい読み方
ホーチミンのマンション一次価格の平均は、2025年第4四半期に1㎡あたり9,200万ドン、2026年第3四半期に7,500万ドンでした。ただし、この2つの数字は同じ条件では比べられません。9,200万ドンは旧ホーチミン市の数字で、2026年からCBREは、価格水準の低い旧ビンズオン省と旧バリア=ブンタウ省を加えています。CBREの第2四半期レポートは、新ホーチミン市における2026年上半期のマンション供給の79%が旧ビンズオン省だったとしており(当社の2026年第2四半期の市場レポート(英語)をご覧ください)、プロジェクトの構成そのものが変わりました。構成が変わったことによる下落と、市場が弱まったことによる下落は同時に起きており、レポートはこの2つを切り分けていません。
二次市場では、ホーチミンのマンションの売り出し価格は1㎡あたり6,000万ドンで、第2四半期比4%下落、前年同期比では横ばいです。ハノイも6,000万ドン/㎡ですが、前年同期比で8%下落しており、2年続いた上昇のあとで初めての前年比下落となりました。2都市の二次市場の売り出し価格は同じ水準に収れんしつつある一方で、ハノイの一次価格(8,600万ドン)は、ホーチミン(7,500万ドン)をなお約15%上回っています。
読み方のポイント:7,500万ドン/㎡は、新しい区域設定のもとでの幅広いプロジェクト群の平均であり、特定のプロジェクトの価格表ではありません。旧市内のプロジェクトは、これよりはるかに高い水準にあります。また売り出し価格は値引き前の価格なので、特典を反映した実際の支払額は異なる場合があります。
グラフィック:Realtique · データ:CBRE Vietnam 2026年第3四半期レポート — 売り出し価格で、成約価格ではありません
土地付き住宅:ハノイは販売が鈍いまま値上がり、ホーチミンは価格が下がって売れ行きが改善
土地付き住宅(タウンハウス、ヴィラ、プロジェクト内の分譲地)では、2つの都市が逆方向に動きました。
| 土地付き住宅、2026年第3四半期 | ハノイ* | ホーチミン** |
|---|---|---|
| 新規供給 | 1,517戸(+144%) | 30戸(−92%) |
| 販売戸数 | 505戸(−21%) | 935戸(+226%) |
| 一次価格 | 2億4,700万ドン/㎡(前期比+18%、前年同期比+33%) | 2億ドン/㎡(前期比−4%、前年同期比−17%) |
| 二次価格(売り出し価格) | 1億8,300万ドン/㎡(前期比−6%、前年同期比−4%) | 1億1,700万ドン/㎡(前期比−6%、前年同期比−30%) |
ハノイ:新規の売り出しが一次価格を2億4,700万ドン/㎡へ押し上げましたが、売れたのは505戸にとどまりました。第3四半期の土地付き住宅の消化率は33%(年初来55%)です。市場はより高い価格帯を試していますが、買い手は付いてきていません。
ホーチミン:第3四半期の新規の売り出しは30戸だけでしたが、935戸が売れました。大半は、2025年第4四半期の大型の売り出しの在庫です。一次価格は前年同期比で17%、二次価格は30%下がりました。CBREは、この下落には市場の停滞に加え、省の合併(統計の区域の変更)が影響していると明記しています。ホーチミンの土地付き住宅は傾向として読み、30%という下落幅を正確な数字として扱わないでください。
グラフィック:Realtique · データ:CBRE Vietnam 2026年第3四半期レポート — 売り出し価格で、成約価格ではありません
2026〜2028年の予測:ハノイは供給が潤沢、ホーチミンはより慎重
CBREは新規供給を次のように予測しています(レポートのグラフに数値が記載されている列)。
| 新規供給の予測 | 2026F | 2027F | 2028F |
|---|---|---|---|
| ハノイのマンション | 31,000 | 35,000 | 36,000 |
| ホーチミンのマンション | 17,000 | 15,000 | 22,000 |
| ハノイの土地付き住宅 | 5,000 | 7,000 | 7,000 |
| ホーチミンの土地付き住宅 | 4,000 | 3,000 | 5,000 |
要点は次のとおりです。ホーチミンのマンションの新規供給は毎年ハノイの約半分で、プロジェクト間の競争はホーチミンのほうが穏やかです。価格については、CBREの予測線から、ホーチミンのマンション価格は2025年と横ばいか、それをやや下回る水準(一次8,400万ドン/㎡、二次6,200万ドン/㎡、旧ホーチミン市ベース)、ハノイは2025年を上回る水準(一次7,800万ドン/㎡、二次6,200万ドン/㎡)と読み取れます。これは予測線からの読み取りで、レポートは年ごとの数値を示していません。CBRE自身の見出しが条件を明記しています。金利が引き続き、市場の方向を決める鍵です。
グラフィック:Realtique · データ:CBRE Vietnam 2026年第3四半期レポート — 売り出し価格で、成約価格ではありません
社会住宅:2030年までに90万戸超、最大の目標はホーチミン
決議303/NQ-CP(2026年9月30日付)は、9つの地方に対する2026〜2030年の社会住宅の目標を定めました。合計は90万戸超で、うち約70万9,000戸が分譲および賃貸購入、19万1,000戸が賃貸用です。ホーチミンの目標が最大で、バクニン、ハノイが続きます。あわせて、類型別の具体的な目標の設定、賃貸住宅の推進、投資・土地・計画・建設・環境の各手続きの並行処理、そして電子申請と電子抽選による割り当てといったデジタル化が盛り込まれています。
中・高価格帯のマンションを買う方にとって、直接の影響は小さいものです。セグメントが異なるためです。間接的な影響は、マクロの項で触れたとおり、与信と手続きが社会住宅とインフラに優先的に振り向けられている点にあります。
Realtiqueの見方:3つのタイプの買い手にとっての2026年第3四半期
1. ご自身で住むために購入する方。販売が新規供給より大きく落ち込み、住宅ローン金利が10.6%という現状は、2025年と比べて、買い手に時間と交渉の余地を与えています。CBREの売り出し価格は値引き前の価格で、数パーセントの価格差より、支払い期間の延長のほうが大きな意味を持つこともあります。同じエリアのプロジェクト同士を、表示価格ではなく、特典を差し引いた総コストで比べてください。
2. 投資家の方。予測では、ホーチミンのマンション価格が短期的に急上昇する可能性は低いとみられます。そのため、リターンの見込みは、値上がり益よりも賃料収入と長めの保有期間に置くのが現実的です。住宅ローン金利が10.6%の間は高いレバレッジを避け、空き家や短期転売への課税の提案にも注意してください。賃貸オーナーは、ベトナムの賃貸所得税 2026年(英語)で課税の基準額を確認しておきましょう。
3. 外国人購入者と在外ベトナム人の方。外国人が名義を持てるのは、承認リストに含まれるプロジェクトのマンションで、1棟あたり最大30%、期間50年(延長可)という条件です(外国人はベトナムの不動産を買えるか(英語)、外国人枠30%の解説(英語))。ベトナム国籍を保持している在外ベトナム人は、国内の購入者と同じ扱いで購入でき、外国人枠の対象外です。なお、7,500万ドン/㎡は新しい区域設定のもとでの広い平均です。都市全体の数字ではなく、プロジェクトごとに価格を比べてください。
同じ四半期を、売り出し価格と仲介業者調査から見た記事はホーチミン不動産市場2026年第3四半期をご覧ください。市場がサイクルのどこにいるかはホーチミン不動産は2026年の回復サイクルに入るのか(英語)、比較用には当社の2026年第2四半期レポート(英語)があります。
よくある質問
2026年第3四半期のホーチミンのマンション価格はいくらですか?
一次価格の平均は約7,500万ドン/㎡(VAT別、値引き前)で、第2四半期比2%、前年同期比14%の下落です。二次市場の売り出し価格は約6,000万ドン/㎡です。2026年からCBREのホーチミンの数字には旧ビンズオン省と旧バリア=ブンタウ省が含まれるため、2025年とは同じ条件で比べられません。
ホーチミンのマンション市場は上昇していますか、下落していますか?
2026年第3四半期は低調でした。新規に売り出されたのは3,267戸(前年同期比−50%)、販売は1,809戸(−71%)です。一次価格は下がり、二次価格は前年同期比で横ばいでした。平均で10.6%前後の住宅ローン金利が、最大の障害です。
ホーチミンの一次価格が9,200万から7,500万ドン/㎡に下がったのはなぜですか?
2つの要因が同時に働いています。2026年から統計の区域に旧ビンズオン省と旧バリア=ブンタウ省(価格水準が低い)が加わったことと、売り出し戸数も価格も下がるという市場の弱まりです。レポートはこの2つを切り分けていないため、14%の下落を、同じプロジェクト群の値下げとして読むべきではありません。
ベトナムの住宅ローン金利は今いくらですか?
2026年9月の12か月物の優遇住宅ローン金利は、平均で年約10.6%でした。12か月物の預金金利は約7.0%です(CBREによる、一部の商業銀行の調査)。9月のインフレ率は5.08%で、国家銀行の上限4.5%を上回りました。
ハノイとホーチミンでは、マンションはどちらが割安ですか?
CBREの2026年第3四半期のデータでは、ホーチミンの一次価格(7,500万ドン/㎡)はハノイ(8,600万ドン/㎡)より低く、二次市場の売り出し価格はどちらも約6,000万ドン/㎡です。ハノイの新規供給はほぼ2倍(6,187戸対3,267戸)で、ハノイの数字にはフンイエン省の大型都市開発が含まれます。
外国人はホーチミンでマンションを買えますか?
はい。ただし、所有が認められたプロジェクトの承認リストに載っている案件のマンションと住宅に限られ、1棟あたり最大30%、期間50年(延長可)です。ベトナム国籍を保持している在外ベトナム人は、国内の購入者と同じ扱いで購入します。手付金を支払う前に、棟ごとの残りの枠を確認してください。
⚠️ データの出典:CBRE Vietnam『Q3 2026 Vietnam Real Estate Market Insights』(2026年10月)。権利はCBREに帰属します。一次価格は、VATと維持管理費を含まない値引き前の売り出し価格、二次価格は、VATと維持管理費を含まないよう調整した売り出し価格で、いずれも成約価格ではありません。ハノイの数字にはフンイエン省の大型都市開発が含まれ、ホーチミンの数字は2026年から旧ホーチミン市、旧ビンズオン省、旧バリア=ブンタウ省を含みます。グラフはレポートの数値をもとにRealtiqueが描き直したもので、解説はRealtiqueの見解です。本記事は投資の助言ではありません。
気になるプロジェクトの実際の価格を知りたいですか?
レポートの売り出し価格は、値引き前の価格です。プロジェクト名と住戸タイプをお知らせいただければ、オファーや手付金の前に、最近の成約事例の確認、プロジェクト間の支払いスケジュールの比較、必要に応じて外国人枠の確認まで、Realtiqueがお手伝いします。
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